僕の研究テーマであるHaemophilus influenzaeについて少しお話したいと思います。
「ヘモフィルス インフルエンザ」と呼びます。
僕たちのような健康人がかかる感染症の原因菌としてとても重要なバイ菌なんですよ。
頻度としては2番目に多いんです。まぁまぁ重要でしょ?
バイ菌の名前もヒトと同じように名字と名前に分かれます。
コイツはヘモフィルス家のインフルエンザさんってカンジです。
ん? インフルエンザって、、、あの毎年流行りまくっとる・・?? メッチャしんどいやつ?
実は違うんです。
毎年流行ってるインフルエンザはインフルエンザウイルスが原因でこっちは細菌なんですね。
実は全く違う生き物なんです。(ウイルスが生き物かどうかは別として、、)
ハナシがちょっとズレますが、
その昔、1918-19年にインフルエンザがものすごい流行しました。後に「スペインかぜ」と呼ばれる病気です。
人類の3割が感染し、世界中で約5000万人が死亡したとされています。当時、人類は第一次世界大戦を
していたんですね。その大戦で亡くなったヒトが約2000万人とされてますが、スペインかぜはその2倍以上の被害
をもたらしたわけです。一説によると、このスペインかぜが世界大戦を終わらせたとも言われています。
実はこのスペインかぜ、発端はスペインじゃなくアメリカであることがわかっています。
だったら「アメリカかぜ」やろ!、、という気がするんですが、そこはさすがアメリカ人。。
いやいや確かにアメリカから出たけど、実はアメリカのチャイナタウンからでたのよ。だから「中国かぜ」なんよ。
と反論するそうです。。。
インフルエンザの怖いところはインフルエンザ(ウイルス感染)後にバイ菌(細菌)感染症を引き起こしやすくなる
からなんですね。スペインかぜ流行時、人類はまだ抗生物質を持っていませんでした。
抗生物質とは細菌を殺す薬です。当然、ウイルスには効きません。
このスペインかぜで亡くなった方の9割はこの細菌感染症だったそうです。
当時の医学者は必死でこの原因微生物を探ります。スペインかぜ以前にも毎年冬になると同じような病気が
流行していました。インフルエンザで亡くなった方からこのインフルエンザ菌がよく分離されていたことから
「こいつが原因だ」ということになり、「インフルエンザ菌」と名付けられました。語源はラテン語で「影響」を
意味する「influenza」なんですね。本当はインフルエンザウイルスが原因だったのですが、当時ウイルスが
みえる顕微鏡はまだ発明されてなかったのです。後にインフルエンザウイルスが発見され、「実は違うやん」
ということになりましたが、その名残で今もインフルエンザ菌と呼ばれているんですね。
名字のヘモフィルスについては、、、
長くなったので今日はやめましょうねー。
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