2016年7月15日金曜日

NIE取得①

NIE:Número de Identidad Extranjero

直訳すると「外国人識別番号」である。


大学受験、医師国家試験、学位取得、1級船舶免許、これまでの人生で数々の難関をクリアしてきた。。。

しかし、、、ここスペインでNIEを取得することは、医師国家試験に合格するよりも困難であろう。。。

NIE取得の壁に阻まれて、スペインから撤退した日本人はその数、200万を超えると言われている。


前回も書いたが、、、

「本もなしに病気の勉強をするのは、海図も持たずに航海するのと同じである」 William Osler

「海図がないけど、とりあえず航海に出よう。遭難したらその時に考えよう」 KMT

今回NIE更新に際し、タイタニック並みの遭難してしまったため、

後に訪れる日本人たちが安心して航海できるよう祈念し、詳細に記しておく。。


2015年8月にバルセロナに来た際にNIE取得の手続きを行ったが、仲介業者まかせであったため、

ほとんど覚えていない。。よって、今回は「更新の手続き」および「出生児の手続き」について述べる。

まずNIEの重要性について、、、

NIEが記載されたカードは居住許可証も兼ねており、これを持たずヨーロッパ内(正確にはシェンゲン協定国)に

長期滞在すると、不法滞在になってしまうのである。
(日本国民はVISAなしで180日間のうち90日はシェンゲン協定国に滞在できる)

よって、日本出国時に取得した「長期滞在VISA」を居住許可証に切り替えなければならないのである。。。

このNIEカード(居住許可証)を持っていなくても日常生活ではさほど困ることはないであろう。

しかし、不動産契約、学校などはこれがないとハナシにならない。。。

最も困るのが旅行である。。これを持たずシェンゲン協定国外へ出てしまうと、スペイン帰国時に

空港などの出入国カウンターでハジかれてしまい、元の国へ強制送還されるため是非注意されたい。


さて、「出生児の手続き」である。

今回なぜ遭難したか、、、それはNIE取得には約3ヵ月かかるというのが最大の要因である。

チビは5月生まれ、7月に日本へ一時帰国し、8月にスペインに戻ってくる予定であるが、、、

チビはスペイン生まれの日本国籍、日本のパスポートを取得している。(パスポート取得に約1ヵ月)

往路はバルセロナ → フランクフルト(出国) → 関西 

復路は関西 → フランクフルト(入国) → バルセロナ

である。

よって、復路のフランクフルト(入国)でNIEカードが必要なのである。

しかし、そもそもチビはまだ生後90日を経過していないため、NIEカードは必要ないハズだが、、??
(日本国民はVISAなしで180日間のうち90日はシェンゲン協定国に滞在できる)

色々情報を集めてみると、VISA関係は航空会社が詳しいとのこと。。。

乗客が到着地で入国できなかった場合は航空会社の責任となり、タダで出発地に連れて帰る義務があるらしい。

早速、全日空に問い合わせてみた、、が、「わからない」の一点張りであった。

ここで引き下がる訳にはいかない。

小生はANAダイヤモンドメンバーであるためダイヤモンドサービスデスクから再度攻め込んでみた。

すると、すぐに「調べてみます」とのことであった。最初からそうしてくれ。。

ほどなく、返事がきた。

ANA小娘: 
「ドイツ大使館に聞いてみました。すると、カードがないと復路の入国どころか、往路の出国もできないそうです。」

全くもって、意味不明である。

ANA小娘を問い詰めても仕方ないため、ドイツ大使館に電話をかけてみた。

KMT: 「誰がそんなことを言った?そいつと電話代われ。」

ドイツ大使館: 「担当者いません。」

何度もかけたが、担当者はずっと不在のままであった。。。

次にスペイン大使館に問い合わせてみた。

山〇内というおっさんが意味不明な言語を繰り返すだけで全く解決できず。。

在バルセロナ日本大使館、在日本ドイツ大使館、在日本スペイン大使館

いずれの大使館にもヒト以外の生物が働いていることだけはわかった。。。

数日後、ANAから連絡があり、「往路・復路ともにNIEは必要ありません」とのことであったが、

全く信用できないのであった。



ここスペインではこのNIE取得が間に合わず、海外へ出かける必要があるヒトのためにある書類を発行している。

そう、かの有名な「Autorización de Regreso」である。

いわゆる、「帰国許可証」である。しかし、この書類ほど使えないものはない。

通常日本からスペインに戻る場合、直行便がないため、他のEU国で飛行機を乗り継ぐ必要があるのだ。

当然、最初のEU国で入国審査を受けるのだが、スペイン語で書かれているため審査官が読めないのである。

しかも、よく読むとスペイン国内のみ有効(つまり、、他のEU国では無効)と記されているのである。

ドイツの入国審査場でこの「Autorización de Regreso」を提出し、シェンゲン国外追放の刑に処される

日本人が後を絶たない。。

通常はイギリス(シェンゲン協定国外)に島流しにされ、再度スペインに戻ってくる経路になるとのこと。

何とも末恐ろしく、かつスペインらしい書類である。


そういうわけで、いよいよ7月のバルセロナ出国までにNIEカードが必要になってきたのである。

だが、間に合うのであろうか。。。


まず、
NIE取得はネット予約から始まる。
(取得方法は後に詳細に記載しよう)

しかし、この予約が全く取れないのである。

数年前の8月、スペインに大量の移民がきたらしい。その移民のカード切り替えが毎年6-8月になるため、

6-8月は予約がほぼ取れないとのこと。。

毎週木曜日朝8時からネットで予約枠を開放するのだが、2週間毎朝8時にクリックしても予約が取れない。

後に判明したのだが、「出生児の手続き」は予約が要らないとのこと。

なんてこった、2週間もムダにしてしまった。。。


まず、ここに行く。

Calle de Múrcia 42, Barcelona

Oficina de Extranjería en Barcelona





通常は予約の紙がないと、中に入れないのだが、、、

入口のガードマンに出生児の登録にきた旨、伝えると中へ入れる。


必要なものは、、、

① パスポート

② 申請人のNIEおよびパスポート(通常は親)

③ 出生証明書

④ 医療保険の契約書(DKVなどスペイン資本のものが無難)

⑤ 銀行の残高証明(家族5人分で約2万€)

⑥ 住民票(Empadronamient)

⑦ これら全てのコピー

チビ本人は来なくても良い。

以上で完了である。


その後、7-10日ほどでネット上で書類審査が通ったかどうか確認をする。

確認の仕方は、、、まずここから https://sede.administracionespublicas.gob.es/

赤丸をクリック

赤丸をクリック



このページをスクロールし、、、


赤丸をクリック


赤丸をクリック

必要情報を打ちこむ

すると、、、

FAVORABLEを確認


これで書類は無事に受理された。。この画面は印刷しておくこと。

さて、次は指紋採取の予約である。

またこのページから、、、 https://sede.administracionespublicas.gob.es/


赤丸をクリック


赤丸をクリック

赤丸をクリック

赤丸をクリック

TOMA DE HUELLASに合わせてACEPTAR

赤丸をクリック



必要事項を打ちこむ

番号を打ちこんで赤丸をクリック






すると、このような画面に行きつく。。

バルセロナ県であれば、どこの警察署でも受け付けているとのこと。


必要事項を打ちこみ赤丸をクリック

やっと、予約画面に辿り着いた。


好きな日を選ぶ。

これで完了である



この指紋採取の予約、、

「RAMBLA GUIPSUCOA, 74」が最も大きい警察署であるが、ほぼ1ヵ月先しか予約が取れないことと、

係員の態度が極めて悪性であることから、避けることをおススメしたい。


しかし、、この予約が帰国日に間に合わないのである。

当初から間に合わないことが予想されたため、手続きがスムーズにいくように弁護士その①に依頼した。

7月の帰国日までにNIEカードが欲しい、考えられるあらゆる手を尽くしてくれ、と依頼しているのに、

のらりくらりとスペイン人丸出しで、しまいには7月帰国日以降の予約を取ってくる始末であった。

そのくせに残金を要求し、こともあろうか「Autorización de Regreso」を勧めてきやがったので、

厳しく指導してやった。

仕方なく、帰国日が迫っているから早々に指紋採取をしてくれ、とGUIPSUCOAの警察署にかけあってみた。

ここで、またスペイン人気質を思い知らされるのである。

知らないことを「知らない」と言わず、思ったことを言うのである。

「午後に来い」、「月曜日に来い」など、30度越えの炎天下の中、2回チビを連れていった。。

しかし、2回とも門前払いであった。。。この国はもはや発展途上国である。。

結局自分で予約を取るハメに。。なんで弁護士に依頼してんのに自分で予約せーなあかんねん。。。

すると運良く、隣町(Sant Cugat)の警察署で帰国前日に予約を取ることができた!

しかもSant Cugatでは指紋採取と同日にNIEカードを発行してくれるとのこと。

念には念を入れて、弁護士その②に再依頼してみた。。

予約日は帰国前日のため、今度ミスるとNIEカードなしで帰国しなければならないのだ。

本当に当日にNIEカードを発行してくれるのか、を弁護士その②に2度確認をさせた。

すると、大丈夫とのこと。

そして、当日警察署へ。持っていくものは、、、

① 指紋採取の予約書

② パスポート

③ 出生証明書

④ 書類審査時にもらった紙

⑤ FAVORABLEの画面を印刷した紙

⑥ 写真2枚

⑦ Empadronamient

⑧ 両親とそのパスポートとNIE

⑨ チビ本人

である。


実は乳児、幼児はチビすぎるため、指紋採取の必要はないとのこと。書類と写真を渡して終了であるが、、、、

なんと、、、NIEカード発行には4週間かかるとのこと。

おいおい、弁護士通じて2回確認したよな?

しかも、コイツも「Autorización de Regreso」を勧めてくる始末。。

結局、NIEカードなしで日本に帰ることになってしまった。ドイツで島流しに処されるかどうかは運次第である。


最後に、、

スペインの窓口系係員は筆舌に尽くし難い行動をとる。決して窓口系スペイン人を信用してはいけないのである。

以上。




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