2016年2月29日月曜日

Jamón entero

先月から日本ではインフルエンザが猛威をふるっているようですが、ここスペインではどうなのでしょうか?

同僚に聞く限り、スペインでは診断や抗インフルエンザ薬の処方はあまりなされないようですね。

娘の学校でも欠席者が多いようなのですが、単なる風邪なのかインフルエンザなのか情報が入ってきません。

そんな中、先週娘が高熱を出しました。診てみると、なんと扁桃が腫脹し、白苔付着もあるんですね。

扁桃腺炎かな?と思い、仕方なく抗菌薬を飲ませ寝かせておりました。

すると息子が寝込んでいる姉の布団に入り、ちょっかいをかけていたので、叱りつけ部屋から出させました。

泣きながら出ていく息子。そして、ふと娘のベッドをみると、、、

おもちゃの診察キット


こんなものが置かれておりました。。。

息子なりに病の床に臥せる姉をけなげにも助けようとしていたんですね。。。「蛙の子は蛙」でございました。

これからはちゃんと観察せねば。。。反省させられました。



さて、今日のテーマは「Jamón entero」。いわゆるブタの足まるごと1本の生ハムでございます。

バルセロナに来てからというもの、生ハムにハマってしまった小生。

晩飯にビールを飲みながら生ハムをつまむのが、ほぼ日課となっております。

昨年、10月末に足1本購入致しましたが、早々に食べきってしまったために2本目が必要となりました。

1本目の時もそうでしたが、まるごと1本は量・値段ともになかなかのものなので、ミスるわけにはいきません。

よって、かなり気合いを入れてテイスティングをする必要があります。

今回はこの半年で多くの店を訪問し、試食を重ね、得た知識をお伝えしたいと思います。


まず、スペインの生ハムはブタの種類および部位で大きく4種類に分けられます。

黒ブタ(イベリコ:Ibérico)と白ブタ(セラーノ:Serrano)および前脚(パレタ:Paleta)と後脚(ハモン:Jamón)ですね。

このうち「黒ブタ・後脚」がハモン・イベリコと呼ばれ、一番うまいんです。

このようにイベリコはヒヅメが黒い


中でも、ドングリ(Bellota)で育った「ハモン・イベリコ デ ベジョータ」は生ハムの最高峰に君臨しております。

価格も明確に分かれており、スーパーで50€/Kg以下で売られているものは大概「セラーノ」であります。

「パレタ・セラーノ」にもなると、小生も3回ほど試しましたがいずれも後悔するレベルでございました。

これが100€/Kg以上になると徐々に「ハモン・イベリコ ベジョータ」が登場してくるのである。

さらに興味深いのが同じ「Jamón Ibérico de Bellota」でも育てられた地域によって味が大きく異なるんですね。

どうやら「サラマンカ」、「エクストレマドューラ」、「ウエルバ」、「????」という地域があるらしい。

店主が一生懸命、繰り返し説明してくれるのだが、小生のスペイン語力では全く理解できないのが残念であった。

しかし、なぜか店主とやたら仲良くなってしまうのである。

散々味見した挙句、買わずに帰ろうとしても「これ持って帰って、奥さんとよく相談して」とか言いながら、

「Jamón Ibérico de Bellota」のスライスをわけてくれる店主までいた。おじさん、ありがとう。

「ENRIQUE TOMAS」、「jamón jamón」、個人店、、、かれこれ20店舗以上は回ったであろうか。。。


ここで、2つのことに気づいた。

一つ目は、

いずれの店も自慢の一品である180€/Kg以上の「Jamón Ibérico de Bellota」を試食させてくれたのだが、

全てケモノ臭すぎるのである。スペイン人はこういうのが好きなのかしら。。。?

二つ目は、

地域は「エクストレマドューラ」のJamón Ibérico de Bellotaが最も柔らかく、小生好みでございました。


以上のことから、1本目はこれにしました。


購入店は「mas Lilla店」 
値切り倒して、250€で購入。

持ち帰りはこんなカンジ



ラッピングされております

銘柄は「Saavedra」。

「Selección gourmet」いわゆる限定品ですな



専用台ハモネイロに設置
なかなかの威圧感でございます。


2本目は、、、悩んだ挙句、「mas ボケリア市場店」にしました。

買い方は例のごとく、まず生ハムを褒めちぎり倒して、店主と仲良くなります。そして、あれこれ要求すると、、、

「兄ちゃんには参るな~」みたいなことを言いながら、奥からとっておきが出てまいります。


包んでくれてます

今回は少しグレードを上げて、310€でございました。


正真正銘の黒ヒヅメ

もちろん、エクストレマドューラ産


銘柄は「Coto de Galán」



再び、設置

今回はかなり自分の世界に入り込んでしまった。生ハムの世界はさらに奥が深いのであろう。

しかし今のところ、2本とも満足のいく一品を購入できているため、とりあえずはヨシとしよう。

さて、今日も生ハムを嗜むか。。。




2016年2月21日日曜日

Marruecos②

今週も絶不調であり、大殺界の勢いはとどまることを知らない。。

通常、大殺界は12年周期でやってくるものであるが、、、そういえば、12年前はどうであったか?

確かに、、、「公務執行妨害」で現行犯逮捕されたのも2004年であった。

2004年当時、小生は岡山県のとある大学病院で研修医をしておりました。

1月から血液内科、糖尿病内科、循環器内科、神経内科、小児科、救急、腎臓内科とローテート致しました。

研修医だけにかなり辛い経験もしましたが、楽しかった思い出も多い。。。

少なくとも当時は厳しい状況を楽しんでいたように思う。

辛い1年であったが、その後の医師人生を大きく変えた年でもあった。


では、24年前はどうか、、? 1992年。。。当時小生は中学2年生でありました。

確かに初めて人生の底を経験した年であった。。。

しかし、、あの経験で自分が飛躍的に成長したのも事実である。

あれがなければ、今の自分は確実になかったであろうと思いふけってしまう。。。


さらに、36年前はどうであったか?1980年。。当時、2歳。。もはや何も覚えていない。


ということは、「大殺界」というのは自分を大きく成長させる「修行期間」なのであろう。

そう考えると、定期的に訪れるのも、キツいほど「返し」が大きいのも納得できる。

ちょうど帰国する頃に大殺界が終わる。帰国後、どんなことになるか想像しただけでニヤついてしまうのである。


さて今日のテーマは、、そう、「モロッコ②」。。。危うくこのまま終わってしまうところであった。

砂漠の続きを報告したい。


遠くにやっといわゆる「砂の砂漠」がみえてまいりました。

ガイドに貰ったターバン


ホテルに到着。

ミントティー、なかなか美味であった

砂漠のピザ。

上ではなく、中に具が入っている

モロッコのタジン料理。

中に鶏肉が入っている

いよいよ、ラクダです。

この後ろの黒いヤツはラクダのくせに歩くのが下手なんですね。。特に下り坂は落ちそうになるぐらい揺れた。


黒いヤツは顔もどんくさそうである

途中で砂丘に登りました。

趣きのある日の入。

途中の休憩もあり、3時間ほどでテントに到着、ここで一泊。

タンク水、ソーラー発電による電灯も使えました。

夜中、砂漠でみる満点の星空は一見の価値ありでした。

そして、日の出。

いとをかし。。。

そして、迷宮都市フェスへ。見て回るにはガイドが必須とされているが、、、

ロバがゆったりと歩いていました。

世界最古の大学?らしい。

なんと、電話番号は大阪と同じである。。

確かにガイドが必要な街であった。



総括として、、、

カサブランカ空港の国内線ターミナルは気をつけるべきである。

旅程として、4日間は短く、とても回りきれない。

夜の砂漠はかなり冷えるため、冬は避けた方が良い。

しかし、日中の砂漠もかなり暑いため、夏も避けた方が良い。

モロッコ料理は味気のないものが多かったが、ミントティーとタジン料理は美味である。

フェスで電話をかけると、大阪につながる可能性があるため注意されたい。


最後に、今回お世話になった「サハラ砂漠の風」について記載しておく。

旅程を提案してくれたキョウコさん、ガイドのハミドさんには本当にお世話になった。

キョウコさんとは何度もメールでやりとりし、こちらの希望を聞いたり、おススメのコースを提案して頂いた。

小生たちは「妊婦とチビ二人」といういちばん手のかかるツアー客だったであろうと推察されるが、

ハミドさんは最初から最後まで本当に気を遣って頂いた。

トイレ休憩が終わったあとに、「トイレいきたいー」とか、予定がかなり遅れているなか途中で「腹減ったー」とか、

やっと着いた観光地で「眠たいからいいです」とか、車に酔って吐いたりとか、語り始めると枚挙に暇がない。

またハミドさんは日本語、スペイン語もできるため、会話が弾み、子ども達の面倒もずいぶんとみて頂いた。

モロッコは見どころが点在しており、全て周るには相当の日数が必要である。

小生たちはスペインからの参加であったが、日本からではなおさらであろう。

よって、効率よく回診するためには現地ガイドはもはや必須と思われる。

その際にはぜひ「サハラ砂漠の風」を推奨したい。


以上。








2016年2月17日水曜日

Marruecos①

先日報告した「Una mala semana」から3週間経過したが、一向に状況が好転しない。。

芋づる式に次々と問題が湧き出てくるのである。

大概、不運の遠因は自分にあるものなのだろうが、今回はどうもそればかりではないように思う。

例えば、、、

東京に残してきた自宅マンション。

遊ばしとくのも勿体無いので、賃貸に出したところ、借主が家賃を払わず、出ていかず、、、いよいよ裁判に突入。

アテにしていた家賃収入が途絶える。。。ローンどないしょ


今回引越した旧アパート。。。「光熱費込」で家賃を支払っていたのに、何故か「光熱費別」になっており、

敷金返却で大モメ。。。こちらも法的措置の準備中。

バルセロナで裁判って、、、なんぼめんどくさいねん。。。


この度、購入した新品の「食洗器」。。。なんと、2日目で壊れる。

購入店に苦情、修理の申し込みするのも一苦労でございます。


などなど、、、まだまだ愚痴りたいが、これだけで本編が終了してしまいそうなのでやめておこう。

不安に駆られ調べたところ、「金星人プラス」の小生は今年、大殺界のど真ん中でございました。

本年はどうやら「停止」にあたるようです。 こちらに恐ろしいことが記載されておりました。。。


元来、「災難が続く」のではなく、「畳み掛けてくるので災難」なのである。


さて、そんな中、4連休を利用してモロッコに遠征したので報告しよう。

今回は日程が厳しい上に、家内が妊娠中ということで、効率を良くするためにガイドを雇うことに致しました。

「サハラ砂漠の風」、、本当にお世話になった。

2/11(木)夕方にバルセロナを出発し、まずカサブランカ(ムハンマド5世国際空港)でトランジット。

この空港で3時間半の待ちがありましたが、国内線ターミナルの環境は劣悪でございました。

一度入ってしまうと、飛行機に乗る以外どこにも行けないフロア、やたらと高い売店が1軒、みだりに硬いイス。。

辛うじてWi-Fiが飛んでいたものの、電源は1ヵ所。。あまりのショックで写真を撮り忘れてしまった。

やっとの思いで、0:00過ぎにワルザザートに到着。子どもたちが奇跡的に起きていたのが、幸いであった。


小さな空港でした

ガイドのハミドさんと合流し、この日はそのままホテルへ直行し就寝することに。


翌日、砂漠の街「メルズーガ」まで移動です。道中、チャーター車だけに色んな場所に寄れました。

まず、ダデス谷。

川に沿って、草木が生い茂ってます


リアル羊飼い
「オオカミ少年」の末裔のヒトたちかも知れません。


続いて、トドラ渓谷


ロッククライミングの聖地らしい

メルズーガの砂漠周辺。

化石採集。アンモナイトが結構採れました。


ここで、夢中で化石を採っていると、、、突如、


チャリに乗った少年が出現。


周りは地平線しかないのに。。。おまえ、どこからチャリで来たんや?? ここ砂漠やで。

ご褒美にお小遣いをあげてしまうほど、実に逞しい少年であった。


次回に続く。。





2016年2月2日火曜日

欧州文化

バルセロナに住み始めて、5ヵ月が過ぎました。

良くも悪くも、海外に住んでみると自分が日本人であることをイヤというほど思い知らされるのである。

こちらの研究室はヨーロッパではとても有名であったらしく、次々と新しい学生・ポスドクがやってくるんですね。
(そんな有名なトコとは知らず、気軽に来てしまってごめんなさい。)

現在はスペイン人、ポルトガル人、オランダ人、キューバ人、エクアドル人、日本人で構成されており、

そのため、多種多様な文化に触れることができます。

「明日は彼氏(遠距離)の誕生日なの。あたし、ケーキを持ってくるから一緒に食べましょう♪」とか、

「ここからここまで休みます(カレンダーで)。だって、彼氏が遊びに来るんですもの♪」とか、

日本ではまず経験することがない文化である。。。


小生は日本を代表する文化として、「ボケ」と「ツッコミ」を広めておきました。

最近は1日に数回は「ハハハ、ボケ、ボケ」とか「ナンデヤネン」という言語を耳にすることができます。


さて、こちらの施設、女性の割合がとても多いんですね。昼食時の食堂は7割方女性ではないでしょうか。

元々、病院は働く女性が多い場所でもあります。にしても、多い。。。

スペイン全体がそうなのか、病院だからなのか、、、

現在、私のチームリーダー、部門長、ボス、ディレクター、全て女性です。。

同僚にも「あなたのワイフは子どもが育ったら、働くのかい?」と聞かれました。

そういった分野では日本は確かに遅れているんだなーと思いました。国が躍起になってるのもわかる気がします。

こちらではお腹の大きい妊婦さんも結構がんばって働いております。

そこで、、、

ヨーロッパがそうなのか、ラテンがそうなのか、女性はお尻が大きい方が魅力的だという文化があるんですね。

極端に大きいヒトもおり、その場合はお腹も出てたりします。

先日、こんな事件がありました。施設内のある立食パーティーに参加したときのことです。

小生はスペイン語がまだ上手く話せないため、せっせと料理を食べることに没頭しておりました。

ふと見ると、隣の女の子が楽しそうにメールをしていたんですね。

あまりに楽しそうだったので、声をかけてみました。


KMT: 「楽しそうやな。彼氏とメールしてんやろー?」

女の子: 「そうよ。でも彼氏ではなくて夫よ。私、2月に出産するの。」




凍りつきそうな空気を必死に切り裂きつつ、、、

HNKM: 「おめでとう!男の子、女の子?」とか言いながら、何とか凌ぎきりました。


裏を返せば、なんで夫ではなく彼氏なの?私を妊婦と気付かなかったの?ということになります。

つまり、、、私をデブと思ってたでしょう?


危なかった。。。これが逆のパターンだったら。。。

つまり、妊娠していない女の子に「いつ産ま、、」


書いているだけでも震えがとまらない。

どんな治療(言い訳)をしても極めて予後不良となるため、各位注意されたい。