手足口病、ロタウイルス?感染症、いずれも学校で流行しているらしい。
となると、次に心配なのは当然「インフルエンザ」である。
一応リレンザを持ってきているが、一人分しかない。。
となると、、、頼みの綱はやはり「ワクチン」である。
家内に子ども達も含め、そろそろ病院でワクチンを打ってくるように指示すると、、、、、家内曰く、
「ママさん情報によると、ワクチンはそのへんの薬局で売ってるらしいわよ。」とのこと。
??、ワクチンがそのへんで売ってる??薬局で買って、病院に持っていって、打ってもらえ。ということかな?
早速、近所の薬局に突撃してみると、、、、ほんまにワクチンおいてあるやん!
とりあえず、2つ購入してみた。1つ11€ほどであった。 |
どこで打つのか?と店員に問いただしてみると、、、
「家で自分で打ってください。おなか周りがいいですよ。」とのこと。
正直、ビビりました。
問診は? 副作用でたらどうすんやろ? ロットとか控えんでもえーんかな? など疑問が尽きない。
その旨、家内に報告すると、「同じ学校のお友達と家族のみなさんにも打ってあげて」とのこと。。
今週末、我が家はクリニックになります。注射して子どもたちに嫌われないようにお菓子を準備しておこう。
さて、そのインフォームド・コンセントも兼ねて、今回はインフルエンザワクチン(以後、ワクチン)について
専門家の端くれとして少し述べさせて頂く。
日本で働いていた時に「ワクチンを打ったから、私はインフルエンザじゃない。」、「ワクチン打ったのに罹った。」
という方がたくさん外来に来られました。また医療従事者でもそういうことを仰る方がいたんですね。
中には「今年のワクチンって全然効果ないよねー。」なんていうツワモノもいました。
そもそもワクチンの効果ってなんでしょうか?インフルエンザを発症しないことでしょうか?
日本で打たれているワクチンは発症予防の目的でなく、重症化予防のために打っているんですね。
発症予防が目的であれば、生ワクチンの経鼻接種の方が効果が期待できます。
「インフルエンザに罹ったけど、熱が出なかった。」、「熱が出たけど、そんなにしんどくなかった。」
これはワクチンの効果があったとは言えないでしょうか?
小生たちが学童のころ、、、1980年代、ワクチンは集団接種されておりました。国が実施していたんですね。
そういえば学校で打ちまくられましたねー。注射の日、女の子の前で強がっていたのを今でも覚えております。
しかし当時、別ワクチン(MMR)の副作用やワクチンの効果に疑問を抱く声のみをマスコミが増幅致しました。
そんなときに満を持して登場したのがあの「前橋レポート」と呼ばれる報告です。
「ワクチンは効果がない」と結論付けられており、これにより学童集団接種が廃止されたとも言われております。
しかしこの「前橋レポート」、インフルエンザの診断基準や統計の手法が間違っていることでも有名なんですね。
まず、診断キットがない時代にどのようにして診断したのか? 「熱があって2日休んだり、熱がなくても3日休む」
とインフルエンザとされております。ズル休みしてもインフルエンザとされてしまうんですね。
また全体の接種率が低かったり、2回接種が検討されてなかったりと、、21世紀の常識とはかけ離れております。
まぁ国もせっかく税金使って打ってんのに、ワクチンの副作用とか効果ないモン打って虐待とか言われたら、
普通にイヤになるでしょうね。そんなわけで1994年に学童集団接種が廃止されました。問題はそのあとです。
インフルエンザ脳症にかかる子ども、インフルエンザ後の肺炎で亡くなる高齢者が激増しました。。
ワクチンの効果は「打つ → 罹らない」じゃないんですね。
「打つ → 症状が軽く済む → 周りに伝染しにくい → 流行が抑えられる」 なんです。
こういうのを「集団免疫 herd immunity」とよびます。
この集団免疫効果を得るためには全体の接種率を上げないといけません。
インフルエンザは時に凄まじいスピードで重症化し、全く治療に反応せず、極めて不幸な経過を辿ります。
自分の身内であれば、その思いは耐えきれないでしょう。
「インフルエンザワクチンは打たないで!」とか「予防接種は効果がない」などの妄言に惑わされず、
しっかり接種するヒトが増えることを願って、今回は終わりとしたい。
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