2016年5月22日日曜日

祝 次男誕生!②

病は気から、、、をモットーとする自称オラオラ系内科医。。出産前夜から熱発!

どこぞのスポーツ紙にありそうな見出しである。

家内の帝王切開予定日の前日から熱発し、なんと9日間も発熱・激しい頭痛が続いたのである。

内科、感染症、呼吸器のトリプル指導医を保持する小生が自分で自分を診察してみた。

が、、、思い当たる病気がない。強いていえば、軽い髄膜炎か、、、?

ついに軽く意識障害?が出始めたため、大きな病院の救急外来を受診することにしてみた。

自分も医師であることを告げ、おかしいから調べるよう依頼したところ、担当医もそう思ったらしい。

すぐに採血、尿、胸部Xpなどの検査をし始めました

すると、途中で看護婦が点滴の留置針挿入を失敗しやがったのです。その直後になんと、、

看護婦:「あなたの血管が動いたので別のところに刺さりました」

などとほざきやがりました。

自分の技術の未熟さを棚にあげ、患者のせいにする医療従事者の常套手段である。

血管の枝分かれした股の部分から針を刺すと血管も動かず、一発で留置できるの知らないくせに、

言い訳だけはいっちょまえにほざく未熟者め、、、と指導してやろうかと思いましたが、もはやそんな元気もなく、

検査結果を待っている間、解熱鎮痛薬を大量に点滴されてしまった。

検査結果:ほぼ異常なし。(いわゆるWBC、CRPは大きく動いていない)

ますます、初期のウイルス性髄膜炎が疑わしくなってきたのであるが、担当医は帰そうとしてくるのである。

小生であれば、確実に髄液検査を実施していたであろうなと思いを馳せ、帰路についた。

担当医に大きく左右されるが、バルセロナの医療レベルを垣間見た出来事であった。



さて、愚痴はこのぐらいにしておいて、、、今日のテーマは「祝 次男誕生!②」である。


帝王切開当日、病院に向かった。今回は最寄りの病院「CLINICA CORACHAN」で産むことにした。


少し暗いがまあまあの病室である

主治医に聞いたところ、手術室の中まで入らせてもらえることになった。

手術が始まりほどなく、ついに産まれてきたのである。

エイリアンのようにでてきました

サルのようにしわくちゃであったが、やはり我が子はかわいいものである。

そして、病室に移動した。


さぁ、ここからが出生届の提出である。

まず病院側からこのような書類を手渡された。





いずれの用紙も名前、住所など一般的な事項を記載するのであるが、けっこうめんどくさい。

お国柄の違いか?やたらと結婚情報の記載がキビしいのである。

同僚に聞くと、スペインではバツ3、バツ4はザラにいるとのこと。。

未婚か、既婚か、何回目の結婚か、結婚してから何日目の子どもか、夫の身元、などなど、、

つまり、その子どもは誰の子であるかはっきりさせておけ、ということなのである。

医療通訳さんがほとんど記載してくれたため事なきを得た。ほんとにありがとうございました!

これらに加えて、「Informe Neonatal」という新生児の出生時状態を記した用紙を受け取る必要がある。

ここは国民皆保険の日本ではないため、我々外国人はその児にも医療保険をかける必要がある。

子どもは何かと病気が多いため、少々保険料は高くつくが、いいのに入っておいた方が無難だ。

医療保険の相談はこちらで。そのために必要なのが「Informe Neonatal」なのである。

各病院によって様式が違うため、「これがInforme Neonatalか?」と確認することをおススメしたい。


ハナシを戻そう。病院で受け取る必須書類は以上3点である。

また日本の医療保険や健康保険からは所定の用紙があると思うので、それらは各自で準備して頂きたい。


さて、ここからが大変なのである。

必要な書類を整えて、バルセロナ戸籍登録所(Registro Civil)に挑まなければならないのだが、

3-4時間は普通に待たされ、また1回の手続きですんなり終わることは皆無らしい。

なんと、担当官の気分次第で必要書類が変化するという恐ろしい施設なのである。。


数々の在バルセロナ日本人たちを葬り去ってきたRegistro Civil

ちなみに場所はここ


まず病院で受け取る2用紙には戸籍情報を詳細に記載するのであるが、それを証明する書類が必要なのである。

一般的には戸籍謄本が良いであろう。抄本ではなく謄本である。

日本の市町村で発行されるされる戸籍謄本は当然海外では効力がないので、

それらを外務省に送り、アポスティーユ認証を受けなければならない。詳細はこちら。。

その後、それらをスペイン語に翻訳して完成である。(翻訳は在バルセロナ日本領事館でも受け付けている)

通常、これらの手続きは1年前のVISA申請時に行っているハズであり、その時の書類が使えないものか。。。

1年前の書類が使えるかどうか、、、それは運次第である。

そう、ここはスペインなのである。しかも相手はRegistro Civil。

完璧な書類も担当によっていともたやすく打ち砕かれてしまう例が後を絶たない。

大殺界中である小生は1回で終わるように必勝の布陣で挑んだ。

① パスポート(家族全員分)

② NIE(家族全員分)

③ 上記、病院から受け取った3用紙。

④ 戸籍謄本(日本外務省アポスティーユ付き)

⑤ ④のスペイン語訳

⑥ ⑤の翻訳証明(VISA申請時のものを流用)

⑦ 職場・学校等の在籍証明書

⑧ スペインの住民票(家族全員分)

⑨ これらすべてのコピー


朝9時、開館と同時に攻め込んでやった。

入口でボディーチェックを受け、受付で新生児の登録にきた旨、告げると整理券と共に待合室2に案内された。

待つこと3分、、すぐに順番がきた。ドキドキしながら、担当官の席へ。。。


担当、、、、めっちゃかわいい。。。(*´∀`*)ウヒッ


しかし、ここで油断してはいけない。ここは悪名高きRegistro Civilである。

席に座るなり、矢継ぎ早に質問を浴びせかけてきたので、必死に迎撃したところ、5分程度で終了した。

KMT: 「もう終わり?」

小娘: 「はい。あちらで用紙を受取ってください。」

結局何も確認もされず、必要書類は①、②、③、⑤のみであった。

所要時間も10分程度であった。

小娘がかわいかったので、何か物足りない気もしたが、ヨシとしよう。


しかし、事件は起きるのである。。。


続く。





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2016年5月21日土曜日

祝 次男誕生!①

先日、無事に次男が誕生致しました。

異国の地での出産、、、しかも帝王切開。。初めてづくしで、わからないことだらけでございました。

今後、バルセロナで出産される方はたくさんおられると思います。

そんな方々の参考になればと思い、妊娠・出産・出産後の手続きについて詳細に記しておこう。


まず、妊娠。

日本で産むか、バルセロナで産むか、、、

日本で産む場合、言葉が通じるし、実家の援助も得られるし、あえて記載することはないであろう。

バルセロナで産むメリットとしては、、、、全くないように思う。(じゃあ、日本で産めって。。)

アメリカなどでは生地主義であるため、アメリカ国籍を取得することも可能であるが、

スペインは血統主義であるため、モロ日本男児になってしまうのだ。

夫婦ともに日本人の場合、バルセロナで産まれた子どもには日本国籍しか与えられないのである。

ただ出身地はスペイン・バルセロナとなり、何となくカッコイイ雰囲気が醸し出されるであろう。

ただそれだけである。

我が家では実家から義母が出産前後3か月にわたり、バルセロナにきてくれるとのことであったため、

スペインでの出産を決意した。

ここで注意すべきこととして、、、医療保険の確認である。

妊娠および妊娠にまつわる疾病に関しては通常の「駐在保険」や「旅行保険」では賄われないため、

現地での妊婦検診・出産をカバーした保険に加入する必要がある。こちらを参照。

しかし、保険費用も結構高額であるため、よく吟味してほしい。

妊娠中、経過順調であれば費用もかさまないが、何らかの合併症を併発すると費用はかなり悪性化する。

参考までに今回妊婦検診から通訳、出産(帝王切開)にかかった全ての費用として、約7000€であった。

通常出産であれば、もう少し安くなるのかもしれないが。。。

しかし帝王切開となれば病気扱いになるため、日本の健康保険の対象となり、医療費の請求ができるのである。

さらに日本で何らかの医療保険に加入していれば、そこからも医療費が請求できるため、

入院・出産に関する費用はカバーできるであろう。(妊婦検診は別かも、、?)

我が家ではスペインおよび日本いずれの医療保険も加入していなかったため、費用がかさんでしまった。

現在、帝王切開にまつわる費用を日本の健康保険に申請中であるが、スズメの涙ほどの還付であろう。。。涙


また、言語の問題。。。

「まぁ、英語ができたら大丈夫」という考えはこなごなに打ち砕かれてしまうであろう。。

スペイン人は日本人と同じくらい英語ができない民族なのである。

しかし医療通訳に関しては極めて信頼できる方がバルセロナにおられるため、相談すると良い。


そして、妊娠末期。。

新生児が百日咳にかかると致死的になる場合があるため、妊娠末期の母体にワクチンを接種し、

抗体を胎児に移行させなければならないのである。

百日咳単独のワクチンは存在しないため、破傷風・ジフテリアとの混合ワクチンを接種する必要がある。

この3種混合ワクチンといえば、、DPT」である。(今はポリオも追加されて4種であるが、、)

子どもに打つのが、「DPT」。(Diphtheria:ジフテリア、Pertusis:百日咳、Tetanus:破傷風、の頭文字)

成人に打つのは、「Tdap」といって抗原量を調整したワクチンである。

以前にも書いたが、ここスペインでは薬局でワクチンを購入しないといけないのである。


また先生曰く、「今、Tdapはバルセロナ全体で品切れになっていて、手に入らないかも。。」

そして、娘のお友達のママさんも来月出産を控えているのにまだ手に入れられてないとのことであった。

何とも恐ろしい国である。。

早速、薬局に攻め込み、工場から直に2本卸させることに成功し、事なきを得た。


続く。




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